事業承継で商店街機能を守りたい! ~下川町商工会の挑戦~

商店街活性化

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事業承継で商店街機能を守りたい!~下川町商工会の挑戦~

下川町商店街事例紹介

【下川町の概要】

 下川町は北海道北部に位置し、道北最大の都市旭川市から92㎞、中核都市である名寄市から18㎞のところにある。下川町の名前の由来は名寄川に2本の支流が流れており、その一つが下川とされたといわれている。町の面積の9割を森林で占めており、そのうち8割が国有林となっている。人口はかつて鉱業が盛んだった1960年をピークに15,555人を数えたが、鉱山の閉山にともなう産業構造の変化による過疎化が進み、現在(2023年6月)ではピーク時の1/4となる2,976人まで減少した。

【下川町商工会 三津橋会長の取組】

 後継者不在で廃業の危機にあった事業を承継することで商店街機能を保ってきた。
○肉のキクチ
  肉のキクチは町内で唯一の精肉小売店で、古くから町民に親しまれてきましたが、サンルダム工事終了に伴い人口減少が進み売上が下降し始め、さらに追い打ちとなる新型コロナウイルス感染拡大による売上急落が廃業を決意するきっかけとなった。三津橋会長は古くから親しまれてきた肉屋を誰かがやってくれればとの思いがあった。当時の決算内容から小規模経営なら継続できると感じていたため、後継者が現れるまで自ら白衣を着て肉のキクチ自慢のたれに改良を加えて事業を引き継いだ。
○蕎麦屋の承継
  夫婦で蕎麦屋を経営していたが、高齢となり事業継続が困難になったため廃業となったが、思いを引き継いだ常連夫婦が事業を承継した。しかしながら後継者夫婦も親の介護が必要となり事業を続けられなくなった。町内唯一の蕎麦屋であり、町の憩いの場を無くしたくないとの思いから事業を承継し、自らそばを打ち経営を継続している。
なぜそこまでするのか?との問いに
三津橋会長は「だって商工会長だから」と答えてくれました。
商工会長にとってお店は子供のようなもの、そんな子供たちを守りたいとの思いから私財を投じて消えかける商店をなんとかしたいと考えている。

【森の駅構想】

  これからは、商店街区で「道の駅」の機能を有した施設「森の駅」を設置し特産品販売やコミュニティ活動、インフォメーションなど集客施設、街ゼミ(元クリーニング屋さんのアイロンがけ)などの活動を事業協同組合と商工会が中心となり実施していきたいとう思いを描いている。