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事業承継で商店街機能を守りたい!~下川町商工会の挑戦~

下川町商店街事例紹介

https://youtu.be/lHQyvkk5z0U
下川町
下川町商店街事例紹介

【下川町の概要】

 下川町は北海道北部に位置し、道北最大の都市旭川市から92㎞、中核都市である名寄市から18㎞のところにある。下川町の名前の由来は名寄川に2本の支流が流れており、その一つが下川とされたといわれている。町の面積の9割を森林で占めており、そのうち8割が国有林となっている。人口はかつて鉱業が盛んだった1960年をピークに15,555人を数えたが、鉱山の閉山に伴う産業構造の変化により過疎化が進み、現在(2023年6月)ではピーク時の1/4となる2,976人まで減少した。

【後継者不在で廃業の危機にあった事業を承継することで商店街機能を保ってきた】

○肉のキクチ
 肉のキクチは町内で唯一の精肉小売店で、古くから町民に親しまれてきましたが、サンルダム工事終了に伴い人口減少が進み売上が下降し始め、さらに追い打ちとなる新型コロナウイルス感染拡大による売上急落が廃業を決意するきっかけとなった。三津橋会長は古くから親しまれてきた肉のキクチを誰かが引き継いで残してほしいとの思いがあった。当時の決算内容から小規模経営なら継続できると感じていたため、後継者が現れるまで自ら白衣を着て肉のキクチ自慢の「たれ」に改良を加えて事業を引き継いだ。現在では、調理師免許をもつ三津橋農産(株)の従業員が店の経営を任されている。

○蕎麦屋の承継
 初代「やまと屋」は町民に長く愛されてきた夫婦で経営する蕎麦屋だったが、経営者が高齢となり事業継続が困難になったため廃業することになった。その後、下川町にUターンしたやまと屋常連夫婦が先代の思いを引き継ぎ2代目として事業承継したが、後継者夫婦も家族の介護が必要となり事業を続けられなくなった。町内唯一の蕎麦屋であり、町の憩いの場であり町のコミュニティーとしての存在を無くしたくないとの思いから、三津橋会長が自らそばを打ち3代目として経営を継続した。会社経営と商工会長を務め多忙を極めていたため週1日月曜日(のちに火曜日)のみの営業でしたが、お店を継続できたことで現在は、4代目の店主として渋谷さんが経営し、やまと屋が引き継がれている。

 なぜそこまでしてお店を残したいと思ったのか?との問いに
 三津橋会長は商工会長になったときすべてのお店の「親」になったような気がした、だからお店は子供のようなもの、そんな子供たちを守りたいとの思いから消えかける商店を自ら店頭に立って守りたいと考えている。

【森の駅構想】

  三津橋会長は、商店街の中で特産品販売をはじめ、コミュニティ活動、インフォメーションなど「道の駅」的な機能を備えた施設「森の駅構想」を考えており、商工会と事業協同組合が協力して運営し、下川町の特産品である「手延べ麺」や「トマトジュース」など地域ブランドの発信をしていきたいという思いを描いている。


消えかかった商店街を守りたい!下川町商工会の取組はこれからも続きます…。